マラソンの当事者研究

令和(2019年5月)から本格的にマラソンを始めた30代男による練習・レース記録および考察・内省の記録です。

【総括】2021年ランニングのまとめ(変わったこと・変えたこと・変わらないこと)

 2019年5月、令和のスタートと同時に本格的にランニングを始めて、3年目のシーズンも中盤から終盤に入っています。2019年は出る度に記録を更新でノリに乗り、2020年はコロナ禍で悲しい思いをしつつも初めてのサブ3を達成、そんなランニングライフですが、2021年全体を振り返り、自分のしてきたことをざっと思い出していきます。

記録の変化

2021年は、1500m、5000m、フルマラソンで自己ベストを更新しました。

  • 1500m 4'55"→4'45" (2021/7 アマガサキタイムトライアル)
  • 5000m 17'48"→17'42"(2021/10 神戸市長距離記録会)→17'12" (2021/10 アマガサキタイムトライアル)
  • フルマラソン 2°56'34"→2°52'40"(2021/12 奈良マラソン)

 結果には満足しているわけではないのですが、着実に前に進んでいることは感じられます。3年目で少しずつ伸びの幅が小さくなってきていますが、少しずつでも記録を更新できることに喜びも感じています。以下このような記録に至るまでのプロセスを記述していきます。

全体の練習量と質について

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昨年が3,399kmでしたので、前年比120%の走行距離となっています。

量について

 走行距離は意識していません。これは2020年から変わらないことです。普段の練習の際には、○km走るではなく○分走ると決めています。時間はいつかやってきますが、身体の調子によっては○km走れないこともあるからです。身体の調子に合わせて、ペースは調整しています。ゆっくり走るときは6'00"/km前後、普段は5'30"/km前後のjogで60分走ることが多かったように思います。ゆっくり走ることも多いのですが、こうすることで疲労が残りにくい持続可能な練習に結びついていたように思います。

 また、平日は60分、休日は土日どちらかが120分程度が基本方針で、仕事の関係で必ず休足する日を1日取るようにしました。その結果、足を休ませる日は、仕事に打ち込むというサイクルができていました。このような1週間の流れですと、大体月間走行距離は300〜350kmあたりになるだろうなとは思いながら走っていました。

 一つの目標として、月間・年間走行距離を考慮に入れることはモチベーションの観点から重要であり、それはそれで良いと思っています。私の場合は、違った視点でものを見ているんだなと思いますが、故障のリスクの観点から、距離のことは考えずできるだけ楽に走ることに焦点を置いているようです。2020年から2021年の最初の方は故障に苦しんでいたので、とくにいかに無理なく走るかに意識が向くようになったのかなと感じます。

 その結果故障が減り、走行距離が120%となったことは一定の取り組みの成果でしょう。

質について

 質については、3つ変えたことがあります。

  1. 強度の高い練習の頻度を下げた
  2. 腹八分の練習を心がけるようにした
  3. いわゆる期分けを取り入れてみた

 1. について2020-2021年シーズンは、平日に1回、休日はセット練習(インターバル系と強度高めのロング走)のパターンが多かったのですが、身体の疲労が取りきれずに練習をこなしているような日々が続いていたなと振り返ってみて思います。また、疲労が取りきれていないことが原因で故障を複数回発していました。その結果、2020-2021年シーズンは満足な状態で出場できた大会があまりなく、「走れるか不安だな」と感じることがままありました。

 そこで、強度の高い練習を減らすようにしました。具体的には、週3回強度が高い練習を2回に減らす、あるいは休日のセット練習のうちロング走をゆるい長めのjogにするといった方針で継続性を重視した練習に切り替えました。すると、4月から故障をすることはなく、疲労も以前ほどは強くなくなり、仕事もより前向きにできるようになりました*1

 2. については、以前は全力に近い練習をこなさなければという考えがどこかにあったのかもしれません。練習前に「今日の練習は嫌だなぁ」と思ってしまうところが、その際たる感情なのかなと今振り返って思います。そこで、少しチャレンジングではあるけども、自分の実力なら高い確率でこなせる練習をこなしていくことに練習の力点をシフトしました。例えば、インターバルで1000mのインターバル(5000mペース)を5本するとして、リカバリーが60秒〜90秒ほどだと、自分はそれをするのが憂鬱で仕方がないので、リカバリーの時間を120秒にするとか、ペースを落としてみるとか。甘えと言われればその通りなのですが、できることの質を高めていくことも重要なのではないかと思っています。そうすると、強度の高い練習の前に「嫌だな」といった感情もあまり出なくなり、練習を楽しめるようになりましたし、結果的に2020年よりもペースの速い練習(例えば閾値走)はできるようになりました。

 3. については、フルマラソンで結果を出すために、5000mのスピードが直結するという話を伺い、秋まではトラックに向けた練習を行うことにし、インターバルを取り入れるといった焦点を絞った練習を行いました。レペティションの練習は今までほとんどしてこなかったので新鮮でした。

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5月ごろに作成した練習計画

 練習内容は、『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』を参考にしていました。

 こう期分けをすることで、練習内容にバリエーションが生まれ、練習を考える面白さが増したように思います。気分転換にトレイルランニングを取り入れたこともモチベーションの観点から良かったように分析しています。

 結果、5000mについては、非公認ではありますが、従来の記録を30秒以上更新し、フルマラソンでも自己ベストを更新することができました。

身体との向き合い方について

 練習についての項目と重複する部分がありますが、身体と対話するってどういうこと?そんなことを念頭に入れながら、練習を考えていました。

故障について

 2020-2021シーズン終盤、2020年11月ごろから右脛のシンスプリントに悩まされ、2021年は故障を抱えた状態でのスタートとなりました。また、2月ごろからは、シンスプリントは落ち着いたものの、左股関節が詰まる感覚があり、走ることに苦を感じる時間が長くありました。3月のなにわ淀川マラソン前はとくに股関節の可動が狭くなり、これはDNSかもという状況まで悪化していました。結局何とか出場し、サブ3を達成することはできたのですが、この時にこのままでは良くないと思い、それが、前述の練習方針の転換(とくに質の部分)につながるわけですが、他にも変えたことがあります。

シューズの見直し

 シューズは友達です。友達といかに付き合っていくかということで故障のリスクは減らせると考えています。毎日の練習の中で、jog用のシューズを複数足で使いシューズを休ませるようにする、ソールが削れてきたら躊躇なく捨てる、といったことを以前から行っていました。以前は速く走れるシューズばかりに目がいっていましたが、2021年は練習の70%〜80%を占めるjogシューズで自分に合うモデルをいろいろ試してみた年でもあったように思います。

 例えば、私は走りに癖があり、オーバープロネーションがあります。

走り方でシューズを選ぶ Pronation プロネーションガイド|アシックス公式

 asicsの戦略に乗せられているわけですが...そのオーバープロネーションにあった、シューズを選ぶようにすると、普段のjogが快適に走れることに気づきました。また、クッショニングモデルとかそういったものをあまり気にしていなかったのですが、NikeのReact Inifinity Runのような故障のリスクを軽減するモデルを愛用し、違和感があるなと思えば、多用するようにしていました。

ケアグッズの使用

 ケアについては、Twitterのフォロワーさんの情報を見たりして、いろいろと試していますが、トリガーポイントや低周波治療器を用いることで、違和感の解消に大いに役立ちました。

 また、膝まわりのトラブルに悩まされることが多いのですが、走りだけでなくアーチといった足裏の状態にも問題があるのでは?と仮説を立てて、その周辺のケアグッズを用いて、現在進行形で試しているところです。

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青竹の役割を果たすRearchと脚の指に引っ掛けて姿勢を良くする狙いがあるエナジーポイントという製品です。

 全体を通じて、こうしたケアへの意識が向上したのかなと思います。故障が頻発した2020年の反省を踏まえて、自分なりに新しい取組を行なった1年でした。結果4月以降は故障ゼロで終えることができました!

大会への向き合い方について

 最後に2021年は(も?)新型コロナウイルス感染症に伴い、多くの大会が中止・延期となり、モチベーションが上がらない時期がありました。とくに故障を抱えていた1月あたりは故障していることで気持ちが下がり、さらに大会がないことに対して、イライラをする期間がありました。また、新型コロナワクチンを接種するタイミングも大会の動向で変わり、難しい選択を迫られることがありました。

 その中で、「中止」に対しての耐性(レジリエンス)はついたように思います。11月のおかやまマラソンの中止が発表された時には、今年の最大の目標として練習してきただけに流石にショックを受けましたが、上記の練習の取組みの変化で故障がなく楽しく走れていたので、モチベーションは下がることはそこまでありませんでした。追い込んで追い込んで成果を出す楽しさもありますが、その過程を楽しめるようになったことにより、中止になっても、「そうなんだ」と割り切れるように少しはなったように思います。

 12月の奈良マラソンはファンランの予定が、記録を狙いに走ることになったのは想定外でしたが、これもあと数年経ったら、「そんなこともあったね」と思い返せれば良いなと思います。来年は大会開催が「ガチャ」となりませんように。

人との出会いについて

 最後に、今年もランニングを通じて、出会った皆さんにお礼を申し上げます。コロナ禍で行動が制限される中ではありましたが、新しい出会いもいくつかありました。

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3月のまっつんハーフ(あいち健康の森@愛知県大府市

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12月の奈良マラソン

 また、たくさんおられるため書けないですが、練習に付き合ってくださる皆さんにも感謝しております。また、今後とも変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願いしますね。まだ出会っていない皆さんとは、2022年にぜひ。

 

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 以上、2021年のランニングを振り返りましたが、振り返った中で、来年はここを改善したい!だとか、次はこの記録を達成する!といった課題・目標が浮かんできましたが...それはまたブログで。

 2021年ありがとうございました😊2022年はお互いにより充実したランニングライフとなりますように!

*1:私は仕事を充実させるためにランニングを始めましたが、ランニングが原因で仕事のパフォーマンスが...とは、本末転倒も甚だしいですよね。