マラソンの当事者研究

令和(2019年5月)から本格的にマラソンを始めた30代男による練習・レース記録および考察・内省の記録です。

【週報】弱さを力に。(211213〜211219)

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奈良マラソンの結果が悔しすぎたので、次のマラソンまでホーム画面を奈良マラソンの完走証にします。

 悔しさを忘れないためにiPhoneの待受を変更しました。堕落しそうなときにこの待受を見て、奮起させる。ということで、奈良マラソン後1週間の練習記録です。2時間50分切りに向かうために、今週は疲労を落とし、次につなげていくことをテーマに走りました。なお、今回は余談が本編です。

今週の練習

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jogで疲労を落とす1週間としました。

 体重を増やさないように、疲労感を落とすことをメインに走りました。

12/13(月)

OFF

 前日の奈良マラソンで前腿の張りが非常に強かったです。また、ハムストリングスも。下り坂でブレーキがかかったのでしょうか。坂の攻略は難しかったなぁと思いながら、ストレッチを行っていました。

12/14(火)

シューズ:Nike React Infinity Run(White)

 張り強めですが、過去マラソンを走った中では一番筋肉痛が軽かったため、走ってきました。ここ1年、不調がある中で走り、その分無理をして走ることができなくなっていたため、不調がない状態だと、こうも楽に復帰できるのだと感動を覚えました。

12/15(水)

シューズ:asics GT-2000 9

 会議が数件重なったため、疲労感がありました。強度の高い練習をするほど身体も回復していませんので、軽めのjogで繋ぐイメージでした。

 なお、蛇足までに...

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専用マスクを着用して応援しました👍画面越しですが...

ロコ・ソラーレ北京五輪出場内定おめでとうございます!!!

12/16(木)

OFF

 夜にZoomで共同研究のミーティングのため、そこに集中するためオフにしました。2日連続で走って、疲労が抜けるどころか溜まる感じであったため。

12/17(金)

シューズ:Nike Pegasus 37

 転載ダメゼッタイです。オールスポーツさんのコピー禁止と透かしが入っている写真をupするのは論外だと思うのですが、更に質が悪いのは、他人が写っているのをぼかしもかけず、upする人だったりしますね。そういうのを見たら躊躇なく「報告」をするわけですが...自分の写真が無断でアップされているのを見たら不快にならないものでしょうか。関わりたくないので、ここで愚痴っておきます。

 話が逸れました。Wind Sprintを入れて、大きな動きができる程度には回復しておりました。地道な練習ですが、Wind Sprintは長い目で見ると効果的なトレーニングであると思います。

12/18(土)

シューズ:adidas adizero Boston 10

 論文で苦しんでいましたが、金曜・土曜で詰めて書き切りました。

 「一部」練習については、疲労が抜けたので、ペースを上げて様子見。脚の違和感はなく、もう動けることを確認しました。その中で、腕振りを意識して、とくに左腕の振りを大きめに。良い感じでペースが上がりました。

 その後、弦楽合奏の練習に参加。オーケストラと違い、楽器がヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・コントラバスと種類が少ないため、間違うとバレる!と思い、終始硬い動きになっていました。リズムに自信がない箇所があったこともあり、大変緊張しました。

12/19(日)

シューズ:adidas adizero Japan 4

 薄底でじっくりとjog。これを書くのは何回目かわかりませんが、adizero Japan 4は名機中の名機です。あの形体は今や昔...adizero seriesは完全に違うシューズとなってしまいましたね...。薄底を履く機会が減っておりますが、新しいシューズを買うとしたら、薄底かなぁと思ったり。

全体の内省

  1. 無理なく疲労を抜くことに終始できた
  2. うまくいかなかったこと(今回は脚攣り)を踏まえ、改善策を講じていく

 奈良マラソンでの振り返りで、うまくいかなかったことを踏まえたことを考えて見ましたが、やはり脚攣りがなければというたらればに行き着きました。それを踏まえ、ふくらはぎの攣りが過去3回のマラソンで2回発生しているので、弱点を克服する上でカーフレイズを取り入れてみることにしました。あくまでも仮説ですが、奈良マラソンではウォーターローディングをすることにより、攣りの原因となる水分の問題はなかったように分析しています。となると、あと攣りの原因として考えられるのは、筋肉疲労だと思います。奈良マラソン特有のアップダウンで、自身の脚が耐えきれなかったのでは、と。そこで、疲労しにくい脚を作るというためのアプローチとして、ふくらはぎを鍛えることに辿り着きました。以前にも補強の一つとして取り入れていたのですが、いつの間にか止めてしまっていました。今度は持続的に行おうと思います。とはいえ、毎日行うわけではなく、強度の高い練習の前に行うと疲労してしまうことを体験的に理解しているので、週2, 3程度からやってみようと思います。

余談

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2019.8.4 どうぎんカーリングクラシック@どうぎんカーリングスタジアムにて撮影

 私はカーリングが好きで、2018年の平昌五輪をきっかけとしてロコ・ソラーレのファンになり、何度か試合を観戦しているのですが*1、私のブログの名前にある「当事者研究」はロコ・ソラーレと実は関係があります。

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ロコ・ソラーレ吉田知那美選手が書籍『安心して絶望できる人生』という本をInstagramで紹介されていたことがきっかけで、当事者研究という世界を知りました。
写真は2018.8.4 北海道浦河町にて

 少し学術的な話になりますが、ごく簡単に紹介すると、当事者研究とは、元来、精神疾患を抱える者たちが集まる就労施設(北海道浦河町べてるの家)で始まった研究方法です。「悩みを苦労に変え、苦労をテーマに変えていく作用を持っています」(向谷地・浦河べてるの家,2018, p. 35*2 )とあるように、疾患を抱える当事者が病やそれに付随する苦労・苦悩などを自身で分析し、付き合い方を語りや対話などを通じて見出していくアプローチを指します。これは背景として、病気を治すものとして捉えるのではなく、付き合うものと捉えていることが根底にあります。こう書くと、当事者研究精神疾患など病気を持っている人だけのアプローチなのかと言われるのですが、決してそうではなく、石原(2013)*3によると、誰しも研究的な態度であれば、自分の苦悩や課題は当事者研究になり得るものとされています。よって、マラソン当事者研究も成立すると私は考えています。

 当事者研究の大きな特徴を書くと、「弱さ」を研究のエネルギーとしていることが挙げられます。当事者研究には、いくつか重要な原則が存在しているのですが、その一つが「弱さの情報公開」です。弱さの情報公開とは、例えば自分の苦しかった時間、問題が顕れるまでの経緯、すなわちプロセスを公開することです。当事者研究では、弱さは共有されるべき財産だと捉えられているようです。また、プロセスの公開こそが重要で、この文脈を丁寧に開示することで、自身の次の行動が見えることがあります。「弱さ」と聞くとネガティブなものを思い浮かべがちですが、決してそうではありません。弱さから始まる「研究」もあるのです。それを内に秘めず、開示していくと他の人から共感が得られたり、興味深い示唆が得られたり、また自身がアウトプットすることによって得られる気づきがあるかもしれません。ですので、私はTwitterやブログの中では、ネガティブに感じたことも、可能な限り素直に開示するようにしています。弱さを出すことは勇気がいることではありますが...こうした研究と言いますか、語りやアウトプットのアプローチがもっと広まってほしいなと願っています。

 蛇足までに、私は2018年に吉田選手のInstagramの投稿を見て、当事者研究を知り、この界隈の研究を見るようになり、学会発表や論文でも「当事者研究」の知見を援用するようになりました。カーリングがきっかけで研究に結びつくなんて、人生面白いなぁと思いますね。

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このサインは今でも宝物にしています✨

 2022年に今書いているマラソンを題材にして当事者研究の研究発表を計画しています。受け入れられるかどうかわかりませんが、一度チャレンジしてみようと思います✊

*1:現在は新型コロナの影響でカーリングホールの特性上密になりやすいため、2020年以降観戦することができていません。

*2: 向谷地生良浦河べてるの家 (2018).『新・安心して絶望できる人生』一麦出版社.

 

*3: 石原孝二(編)(2013).『当事者研究の研究』医学書院.