マラソンの当事者研究

令和(2019年5月)から本格的にマラソンを始めた30代男による練習・レース記録および考察・内省の記録です。

【大会記録】第1回ポーアイサンセットマラソン 10kmの部

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まごうことなき 快☆晴

 2021年8月28日(土)に神戸市 ポーアイしおさい公園で行われました、第1回ポーアイサンセットマラソン 10kmの部のレースレポートです。第1回の大会ですが、運営元がマラソン大会やトレイルランニングの大会で十分な実績のあるところでしたので、ストレスなく大会に参加することができました。

 なお、第2回は9月18日(土)に開催される予定でしたが、台風により中止になったようです。次回第3回は2022年6月11日(土)に開催予定となっております。6月ですとレースもあまりないのでまた出場してみようかな、と。それくらい良い大会の雰囲気だったように思います。

www.jls-association.com

(フォトギャラリーの中には私も写っています)

このレースに至るまで

 『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』(ダニエルズ, 2016)の理論に基づく区分けした練習メニューを自分なりに咀嚼して練習を組み立て、5月〜6月中旬にかけて(ダニエルズの言葉ではPhase 2)はスピード強化(およびランニングエコノミーの改善)、6月中旬から8月のPhase 3にかけては最大酸素摂取量(VO2Max)に特化した練習で、インターバルを中心としたポイント練習を行ってきました。

 

 簡単な一週間の流れとしては、ポイント練習2回(VO2Maxの改善の練習とLT改善のための練習)、残りは3回は60分程度のjog、週末に120分程度の長めのjogを入れていました。また毎日走るのは気持ちの点でしんどいので、週1日必ず休足を入れ、代わりにバイクなどのクロストレーニングを入れていました。

組み立ての例 (Phase 3)

  • 月 休足 (クロストレーニング)
  • 火 jog
  • 水 ポイント練習 (VO2Max)
  • 木 ポイント練習 (LT)
  • 金 jog
  • 土 jog
  • 日 長めのjog

 自分のスケジュールや身体の状態に応じて、ポイントを週1にしたり、休みを入れたりと調整してきました。そんな中で、ワクチン接種(1回目)を8月15日に行ったこともあり、前週8/9の週は雨も重なり全てjog、8/16の週も全てjog、レースペースを意識した練習はワクチン接種後は8/25(水)のTempo Running 6km (avg. 3'36")のみでした。

 とは言え、レース3日前のTempo Runningでは動きがかなり良かったので、自信を持ってレースに臨めそうだという感覚がありました。

レース当日

 レースは夕方で、仕事の関係で、朝・昼は仕事(学会発表および参加)で、一日目の全プログラムが終了してから移動しました。受付締め切りの20分前には到着できるようにしました*1

 朝はシリアル、昼はパスタを自宅で食べて、レース30分前に「即攻元気」(Meiji)を摂取しました。

 いつもと違う点は、8月ももう終わりではありましたが、当日の天候は快晴、気温は30℃はあるような状況でした。そこで自宅からあるだけの保冷剤を持っていき、レース招集がかかるまで可能な限り身体を冷やすようにしました。特に手のひらですね。深部体温を上げないよう、持っていって正解だったように思います。

装備

  • ウェア(上):シングレット(adidas)
  • ウェア(下):コンプレッションタイツ(2XU)
  • ソックス:コンプレッションソックス(2XU)
  • シューズ:adidas adizero adios Pro
  • キャップ:FEELCAP

 エネルギージェルなどは10kmなので必要ないと判断しました。

コース

 周回コースで、1周1.4kmのコースです。給水は1箇所でしたが、10kmのレースなら、妥当だと思いました。

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公式ホームページより すぐそこに海のあるコースで折り返しは180° 景色は最高でしたが、風邪の影響を直に受けるコースではありました。10kmは1.4km×7周+200mという設定。行きが追い風、帰りが向かい風でした。

レース

 見るからに本気モードの感じの方は3, 4人くらいに見受けられたので、実力が出せれば3位以内に入れるとは思いましたが、招集がかかってから遅れてお一人明らかに速そうな方が来られ、動きからしてこれは優勝は厳しいかなと思いました(実際にその遅れて来られた方が優勝されました)。

 スタート時(17:30)の気温は32℃、設定をどうしようか迷いましたが、3'45"/km、少し速くなっても対応できるようにしたいと考えていました。

スタートから5km (18'28")

 スタートの合図で気持ちよくスタート。直前まで身体を冷やしており、あっついやべぇということはなかったです。前述の遅れて来られた方がスタート直後から楽な走りで先頭を快走。やはり優勝は難しそうだなと思っていました。私はというと、2番手の方も3'40"/kmを切るくらいのペースで走っておられて、これについていくと早々に潰れそうだと思ったので、少し速い入りですが3'40"/kmのペース様子を見ることにしました。最初の1, 2kmで3, 4番手の位置。ただ、最初は追い風でしたので、3'40"といっても割と楽に感じられますし、レース特有の高揚感でこれならいけると錯覚していました。

 1回目の折り返しを終わると、向かい風に。この折り返しと向かい風に終始苦しめられることになります。できるだけ力を入れないよう走っていましたが、そうなると3'40"を超えるくらいのペースにはなります。しかし2, 3番手の方が良い感じで飛ばしているのと、4番手以降は最初の折り返しで少し離れていましたので、ここで離れて単独走になると苦しくなるだろうなと思ったので、とりあえずついていこうと思い、頑張る形となりました。 

5km〜ゴール (19'14")

 3周目までは大勢に変化はなく前が飛ばす形で、何とかチャンスを窺っていました。空気が変わったのは、4周目(5kmを過ぎたあたり)に入ったあたり。ここで2番手の方にジリジリと追いついてきたのがハッキリとわかったのです。なお、5kmまでのラップは3'40"-3'40"-3'43"-3'41"-3'43"。直射日光と湿度と風と折り返しでじわじわと消耗してきたところだったので、俄然元気が出ました。

 明らかに前の姿が大きくなってきたので、流れに身を任せて、その勢いで3位の方と前を追い抜こうと思いました。すると、ここで3番手でほぼ並走していた方もジリジリと後退していったのです。なるほど、前半からガンガン飛ばして粘るという作戦だったのかと思いました。

 これはいけると思い、ペースを落とさないように余裕があり「そう」な動きで後ろに忍び寄り、正確な位置は忘れましたが、6kmを過ぎる頃に2位に上がりました。順位を決めるレースとしてはこの時点でほぼ決着していて、6kmの時点でおそらく後続に抜かれることはないだろうと思っていました。で、前は前で捉えられる気配が全くなく、単独走になってしまう形となりました*2

 こうなると、自分との戦いとなってくるわけで、37分台前半でゴールしたいなと思っていたのですが、ガンガン飛ばしたツケが徐々に「こんばんは!」と出てきて、脚が動かなくなってきました。5kmから6kmは3'48"でなんとか耐えましたが、もう一杯一杯。特に折り返しが辛かったです。自分の脚力がないので、シューズのせいにするつもりは毛頭ありませんが、adios Proはクッション性に優れており、推進力がある一方で、コーナリングで小回りが効きません。トラックにも向いていないと思います*3。180°の折り返しが連続すると精神的にも辛いなというのが今回の実戦でよくわかりました。カーブがもう少しでも緩やかであればもう少し苦しむことはなかったでしょう。まぁこれも戦略ですね。

 ちなみに、周回コースの特徴とも言えるのですが、周回を重ねるうちに、他の部門のランナーさんを追い抜くことが増えたり、給水地点でぶつかりそうになることがあるので注意しなければなりません。今回は、給水でゆったりと給水を取られていたランナーがおられ、走りながら取ろうとすると確実にぶつかると思ったので、仕方なく給水を断念せざるを得なかったことが2回ほどあり、それが精神的に苦しかったです。もちろんそのランナーさんを責めるわけではなく、こうしたことは周回コースではあることなので、わかってはいるのですが、いざ給水を取れない、となると精神的には辛いものがあります。笑

 さて、2位に上がってからは終始単独走で、頭の中ではずっと「蛍の光」が流れていたのですが、暑さがじわじわと身体の中を蝕んでいました。最後の方はキロ4で走れるか走れないかギリギリのところまでペースが落ちていたので、良いところなしでした。よってさっと終わります。これが今の自分の実力だということでしょう。

 夕方17:30をスタートして、18時を回ると日も暮れ始め、サンセットという冠に相応しい時間帯となりましたが、「あぁ夕焼けが綺麗だな」と思うことは当然の如くなく、早く終わりたい!その一心でした。それなりに楽しんではいるんですけどね。2位入賞は残り2kmくらいの折り返しで後続との差を見て確信しました。よっしゃ!終わったという安堵感でゴール。なお、最後はゴールラインを超えて終了ではなくタッチ式なので、落ち着いてタッチをしましょう

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このリストバンドでゴール地点にある箱状のモノにタッチする形式でした。

結果

10kmのレースではこれまで38'04"が最高(2020年8月の大阪城公園ナイトハーフマラソン)でしたが、練習では37'25"(2021年2月)という記録もあります。

www.marathon-tojisya.com

全体の内省

  1. 準備の過程は良かった どうしようもなく力不足、コツコツ積み上げる他ない
  2. 全体的に粘る練習が必要か
  3. この時期に10km 37分台はそれなりに自信にはつながる

 1. については、自分のレベルがまだまだ低いことがよくわかったので、むしろこの記録で2位を取れていること自体がマグレだと思って、これからも愚直に計画的に練習を続けるのみだなと思います。今回自己採点をするなら60点くらい、不可ではないが辛うじて可といったところでしょうか。練習自体はうまくいっていて、去年からの成長を感じるところがありました。その感覚を信じて、練習番長にならないようこれからも練習に取り組んでいきたいです。

 2. については、今後フルマラソンにもつながってくる話ですが、練習の過程でこの2ヶ月ほどはVO2Maxを中心としたポイント練習の組み立てだったので、LTを改善させるための練習を余裕があればより多く入れておけば良かったのではないかと思います。特に、6kmのTempo Runningよりも、ペースを少し落とした10kmのTempo Runningとか少し長めに走る練習の方が粘る練習には向いているのかなと思いました。というのも、6kmのTempo Runningは割と短いので、「すぐ終わる!」と思い我慢することができるのですが、10kmになると決してそうもいきません。まだあまり試していない練習でもあるので、今後のマラソンの練習については、積極的に取り入れたいと考えています。

 3.については、自信にはなりました。一度冬場のレースで10kmの大会に出場してどれだけ記録が伸びるかを検証するのもありだなとは思います。出場するかどうかはわかりませんが...

 ということで、今回は(も?)緊急事態宣言下の中でしたが、適切な管理の中でレースを開催していただいた関係の皆様に感謝を申し上げます。

 長文となりましたが、読んでいただきましてありがとうございました😊

*1:オンラインだからこそなせる技と言いますか...ですが、人と直接顔を合わせて意見交換をするのが好きなのでリアル学会の方がやはり良いです。

*2:実際は単独走ではなく、5kmの部の方たちが入り乱れる形で単独と形容するのは誤りかもしれませんが...。

*3:トラック種目では使えないですが、非公認なら使う方もおられると思うので。