マラソンの当事者研究

令和(2019年5月)から本格的にマラソンを始めた30代男による練習・レース記録および考察・内省の記録です。

テーパリング? 練習記録 (201130〜201206)

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12/6 赤穂義士ラソン 勝負の朝 姫路駅にて。

11/30〜12/6の練習記録です。今回は,12/6に赤穂義士ラソンがありましたので,練習量は少なめです。右脚にシンスプリントがあるために,かなりケア多めでした。赤穂義士ラソンは詳報を別記事にて記しますが,今日は練習記録の後,テーパリングについて簡単に読んだことをまとめます。

今週の練習

11/30 (月)

休足。体幹レーニングのみ。前日のMペースで右脚の痛みは多少あったものの,なんとか走れるといった状態でした。

12/1 (火)

 ギア:NIKE Odyssey React Flyknit 2

文字通り,痛みがある時とない時とその波がある感じですね。

12/2 (水)

 ギア:adidas adizero Japan 5

やり慣れた練習で,確実にこなして自信をつけるという意図がありました。身体に負担がかからないように,クロストレーニング用のコンプレッションタイツ(2XU)を使用しました。

非常に余裕があり,練習に手応えを感じました。

12/3 (木) 

ギア:Odyssey React Flyknit 2

脚への負担を考えて,柔らかいリアクトフォームのシューズを使った形です。

12/4 (金)

休足。この日論文の締め切り日だったため,そちらに集中していました。書き終わって,帰宅してそのままバタンキュー。刺激走を入れても良かったのですが,疲労感が強くやる気が起こりませんでした。

12/5 (土)

休足。何もせずに読書をしていました。ただし,意識的に歩くようにはしていました。

12/6 (日)

ギア:HOKA ONE ONE Rocket X

疲労が抜けた状態で,サブ3は達成。脚のダメージがかなり残っておりますが,想定内のトラブルにも冷静に対処できたと思います。最低限の目標は達成できました!Rocket Xは本当に走りやすかったです♪

詳細は以下の記事に残しています:

www.marathon-tojisya.com

全体の内省

  • シンスプリントを悪化させないように練習量を落としたのは正解
  • 一方で頻度を落とさざるをえなかったのはテーパリングの観点で言うと×
  • 最低限のサブ3達成!

以下の本を読みました。 

 テーパリング(tapering)とは,

「徐々に練習・トレーニングの負荷を減らしていくこと」 (河森直紀, 2018, 『ピーキングのためのテーパリング』p. 10)

で,疲労を抜きコンディションを整える目的があります。うまくいけば,3%程度のパフォーマンス向上が見込めます。

重要なレースの2週間前まで目一杯練習をして,2週間前からテーパリングに取り掛かりました。この2週間前まで(pre-taper periodという期間)きちんと鍛錬を積むことが大切で,このpre-taper periodで一定の疲労があって,そこからテーパリングをしトレーニングを調整することでテーパリングは意味をなします。逆に言えば,疲労のない鍛錬が積めていない状態でテーパリングしても疲労がそもそもないので,意味がありません。

 

このpre-taper periodが十分にできていて,初めて以下のテーパリングのガイドラインが有効であるというのが筆者の理解です。 

  • 強度は維持する
  • 量を41〜60%減らす(ランニングについては21〜40%の可能性も?)
  • 頻度をできるだけ(80%以上)維持する
  • テーパリング期間は2週間弱(8〜14日間) (上述書, p. 80および93を参考に作成)

また,一気に41〜60%減らすのではなく,taperingという単語の意味の通り,「徐々に減らすこと」がポイントとなります。

なお,この本はランニングに特化しているわけではなく,スポーツ全般を射程に入れています。そこで量についてですが,河森氏が引いているBosquet et al. (2007)*1によると

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本で紹介されている研究の原典(Bosquet et al., 2007, p. 1359)

41%〜60%という数字は水泳では,統計的に有意(ある程度の信頼性がある)という結果になっていますが,ランニングについてはそのまま当てはまるかはわからないという結果になっています(むしろ21〜40%の方がまだマシ)。なので,このあたりの考え方については更なる研究が求められます。

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ということで,この本の通り,練習を組み立ててみましたが,疲労はその通り抜けて身体が程よいコンディションだったことは間違いないです。お陰で結果もついてきました。ただし,今回誤算だったのは,脚の状態がよくなかったということ,そのため慎重にならざるを得ず,かなり練習量を落とし,頻度も下げざるを得ませんでした。今後そのあたりを修正してテーパリングに臨みたいところですね。

皆さまには,テーパリングは計画的に,緻密にやられることをお勧めしたいです!

今後結果を分析しながら,自分にあった方法を探していきたいですし,また具体的にお示しできればと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

*1:Bosquet, L., Montpetit, J., Arvisais, D., & Mujika, I. (2007). Effects of tapering on performance: a meta-analysis. Medicine and science in sports and exercise, 39, 1358-65. https://doi.org/10.1249/mss.0b013e31806010e0