マラソンの当事者研究

令和(2019年5月)から本格的にマラソンを始めた30代男による練習・レース記録および考察・内省の記録です。

【大会記録】奈良マラソン 2021(レース当日編) やるしかないからやるしかない

f:id:Stinger:20211220201450j:plain

当日は、寒すぎず暑すぎずのコンディションでした。

 2021年12月12日に行われました、奈良マラソン 2021の大会レポートです。前回では前日までのプロセスをお示ししました。

www.marathon-tojisya.com

 今回は大会当日の模様と大会を通しての内省です。よろしくお願いします。

コース特徴

f:id:Stinger:20211220202701p:plain

泣く子も黙る?奈良の坂。前半は余裕でしたが...ボディブローのような坂の連続でした。

Retrieved from: https://www.nara-marathon.jp/img2021/course/course.pdf

 獲得標高が大体350m以上あるようで*1、誰が見てもこれは厳しいコースだということがわかります。

 振り返り自体も5kmずつ、アップダウンに焦点を当ててその時思っていたこと、感じていたことについて振り返ろうかなと思います。

気象条件

f:id:Stinger:20211220203402j:plain

「寒い」と言われ、パンフレットにも防寒対策を!と書いてありましたが、この日は暖かく感じられました。

Retrieved from: http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/hourly_s1.php?prec_no=64&block_no=47780&year=2021&month=12&day=12&view=

 気象庁のデータによると、スタート時の奈良市の気温は10℃、Finish時の12時ごろで15.6℃と、比較的暖かく、私は暑いと感じるくらいでした。念のためアームカバーを持参したのですが、全く不要でした。上の画像にもある通りですが、曇りの時間帯は比較的長かったのが救いでした。

今回の装備(再掲)

f:id:Stinger:20211216164400j:plain

計画的に補給は8, 16, 24, 32kmで。
  • シューズ:adidas adizero adios Pro 2
  • 上:adidas シングレット
  • 下:2XU コンプレッションショーツ
  • ソックス:2XU コンプレッションソックス
  • サングラス:SWANS E-NOX EIGHT8
  • キャップ:FEELCAP
  • ウォッチ:GARMIN Athlete 235J
  • 心拍ベルト:GARMIN
  • 補給:MEDALIST, Aminosaurus(2種), Maurten(前日・当日用、補給用), VESPA HYPER, Mag-on(顆粒), 塩分タブレット

 暑くなることが事前にわかっていたので、後ろがしっかり開いたシングレットで。絞れていたので、肌を晒すことに抵抗感はありませんでした。また、前述の通り、アームカバーは不要と感じました。ただ、手先が冷える感じがあったので、捨てることを前提で前日に100均で手袋とポンチョを買い、着用していました。

レース当日(会場入りする前)

 前泊はゲストハウスで過ごし、11時半に就寝し、5時半に起床しました。いつも6時間睡眠ですが、本番前特有のワクワク感で寝付けないことはなく、普段通りの朝を迎えることができました。

 朝はパンと野菜ジュース、そしてMaurten 320の入った水をちびちび飲んで同じ大会に出られる男性と談笑していました。6時半にはゲストハウスを出て、JR奈良駅からの臨時バスに乗り込み、ロートフィールド奈良へ。前日、また起きた時は緊張しなかったのですが、バスに乗り込む前に大会スタッフさんに「おはようございます」と挨拶を交わした瞬間に、急に緊張が始まりました。ついに大会に戻ってきたんだ...と!

 6時半すぎのバスに乗車しましたが、そこまで人が並んでいる様子もなく、バス待ちをすることはありませんでした。

会場入りしてから

 7時前に会場入りすると、ソワソワし始めたので、準備で動的ストレッチで今日の調子を確認しながら、Twitterのシューズ円陣の会場に向かいます。

f:id:Stinger:20211220204702j:plain

Twitterで知り合った方を中心にシューズ円陣。この規模は壮観ですね!

 シューズ円陣の前には、奈良マラソンに出場するきっかけとなったリレーマラソンのメンバーと感動の再会を果たし、記念撮影を。合流できなかった方もおられてちょっと惜しかったですが、懐かしい気持ちになりました*2

 シューズ円陣で撮影をした後は、手荷物預けに。ここからはラン友さんのTDKさん
(@ryota_tdk, 以下@〜はTwitterのIDです)と行動を一緒に。今回の目標がお互い近いこともあり、共闘することになっていました。

奈良マラソン 2021の目標

 もちろん2時間50分切り(サブエガ)です。今回はペースを計算した上で、ラップ表を腕に書き込んで臨みました。

f:id:Stinger:20211220214316p:plain

こちらのサイトを利用しました。https://run2die.net/cal/

 ギリギリで良いから2時間50分切りを達成と心に決めて。ラップは5kmラップで手動で計測していました。これだけ起伏が多いコースでは、1km毎だと焦ってしまうので...。

スタート

 スタート時のコンディションは晴れ。整列時、日差しがあり、やはり暑くなりそうだなと思っていました。ポンチョはスタート地点への移動時にゴミ箱に捨て、手袋だけ装着。スタート地点に移動すると、サブ45ランナーのわんこ師匠ことべいやんさん(@karakuchiwanko)を発見し、TDKさんと3人で談笑していました。

 なお、今回はアップjogは一切しておらず、動的ストレッチのみです。突っ込み防止のためです。最初の5kmは下りなので、自然とスピードが出ます。そこで目標ペースの1km4分で動けるくらいで十分だと思っていましたし、最初の5kmをウォームアップと考えていました。

☆スタートから5km [5km Lap: 19'59"]

*[     ]内は公式の5km毎の記録です

f:id:Stinger:20211220211857p:plain

5km: 19'59" (4'00"-3'59"-3'56"-3'58"-4'02") 

*(     )内は参考までにStrava上の1km自動ラップの記録です(距離のズレが大きいため、5kmラップと自動ラップの数値は基本合っていません)

*5km: 19'59" としているのは公式のGrossでの通過タイムです(以下同様)

 前述の通り下り基調のため、軽く動かす程度に。楽にと思っていましたが、最初から心拍は175 bpmを超える展開に。練習では1km4分の30km走を平均170 bpmで走れただけに、はて?と思いました。やはり少し暑かったのかもしれません。最初の4.5kmの給水のところで、少し発汗もあったため、手袋は捨てました。

 経験上180を超えるとかなり苦しくなるため、そこまで調子良くないのかな?と思いつつも多分気のせいと思って走っていました。

☆5kmから10km [20'18"]

f:id:Stinger:20211220212659p:plain

10km: 40'27" (3'53"-4'00"-3'59"-4'12"-4'06")

 奈良公園に向かう途中。上り基調であるため、多少は落ちるかなと思いましたが、この上りでのラップの落ち込みは想定内。8kmで最初の補給MEDALISTを摂取。小さい集団を形成して走れていたかと思います。ここで心拍は180付近に。ただ、序盤ということもあり、楽に走れていました。

 この区間、応援にしてくださった、うねさん(@hacy414)、えちゅこさん(@echuko1018, 見つけられずごめんなさい!)、TDKさんのご家族*3、ありがとうございました。スライドしたStepSportsのHさんもお疲れ様でした!

f:id:Stinger:20211220215828j:plain

8km過ぎの奈良公園に向かう坂。上っているのがわかると思いますが、これはまだ序の口でした。Photo:オールスポーツ TDKさんは左に写っておられる方。

☆10kmから15km [19'36"]

f:id:Stinger:20211220214905p:plain

15km: 1°00'03" (3'54"-3'54"-3'54"-3'53"-3'59")

 下り基調であるため、ペースは上がり気味。ただ、ここは抑えつつ身体を下り坂に任せるイメージ。高橋尚子さんの言葉を借りれば、「石ころになった」つもりで。この辺りで呼吸が整い、ゾーンに入れた感じがします。脚の動きは非常に軽かったです。

☆15kmから20km [20'17"]

f:id:Stinger:20211220215208p:plain

20km: 1°20'20" (3'59"-4'04"-4'02"-4'12"-3'54")

 さぁいよいよ始まりました奈良の激坂と思いながら、今までやってきた起伏走と同じように、スピードを殺さず上っていきます。16km〜18kmまでのところは上りがしっかりあるところだったのですが、少しペースが速かったかもしれません。大体16km〜18kmの区間で標高としては40mくらい上っていますが、ほぼ1km4分ペースのまま。16kmでAminosaurusのカフェインが入っていない方のジェルを摂取。

☆20kmから25km [19'34"]

f:id:Stinger:20211220220414p:plain

中間地点: 1°24'33" 

25km: 1°39'54" (3'51"-3'47"-3'59"-3'56"-3'51")

 中間地点を過ぎたところでほぼ予定通り。今度は一気の下りで、脚を使いすぎないように、ただ前腿でブレーキをかけないように、呼吸を整えながら走っていました。若干のペースの違いはあるものの、まだまだ身体には余裕があり、天理の折り返しで一旦呼吸を整えて落ち着こうと思っていました。24kmでAminosaurusのカフェインの入っている方を摂取。これからが集中すべき時と思っていました。ここまでは小集団を形成して楽に走れていました。

☆25kmから30km [20'25"]

f:id:Stinger:20211220221034p:plain

30km: 2°00'19" (3'55"-4'03"-3'51"-4'13"-4'15")

 さぁ、勝負の後半戦。27kmあたりまでは快調に風景を楽しみながら、走ることができていたのですが、ヤツは何の前触れもなくやってきました。

 28kmで、急に左脹脛に、ヒクっとした感覚が襲ってきたのです。そう、アレです。脚攣りというヤツです。前回の記事で書いたのですが、私は今回のマラソンにあたり、ウォーターローディングを行い、かつ、マグネシウムが多量に含まれている顆粒(Mag-on)を何日か前から摂取していました。にもかかわらず...「マジかよ...」と思いながら、気のせいと思っていたら、その直後に攣ってしまい、そこで一気にペースダウンしてしまいました。白川ダムの傾斜のキツいところの前でした。「蛍の光」が...いやまだ早い。

 前述のTDKさんとは比較的近いところで共闘していました*4が、この足攣りのところで完全に離れてしまいました*5。ただ、攣ってしまったものは仕方がないので、ひとまず落ち着いて、手持ちのMag-onを摂取し気持ちを落ち着けました。まだ大丈夫と念じながら。練習会でご一緒しているNさんとはここでスライド。ありがとうございましたっ!

☆30kmから35km [20'25"]

f:id:Stinger:20211220221907p:plain

35km: 2°20'44" (4'09"-4'06"-3'48"-4'11"-4'04")

 本来の予定では、下りを利用してペースアップと行きたかったですが、そんなことは自爆行為。この区間が盲点で、焦りました。というのも、上りが予想以上に上っていると感じられたからです。脚は再度ヒクッとなるし、呼吸も上り始めていたので、気持ちを落ち着けていきたいところでしたが、実際は半泣きになりながら走っていました。そこで気持ちを紛らわそうと思い、32kmで最後の補給、Maurtenのカフェイン入りのジェルを摂取しました。うん、わらび餅っぽいなと思い気が紛れました。

 上りきってからは今度は一気に下ります。この下りでスピードを上げると、攣りそうで怖いなと思いながら、ここは変にブレーキをかけるよりは自然に任せて一気に下ろうとえいやとしたら、意外とスピードが出て、攣る前の感覚に一瞬戻ったので、まだ脚は終わっていないと思い、なんとか気持ちを持ち直すことができました。まだ2時間50分のチャンスはゼロじゃないと。ただ33kmからの細かいアップダウンは辛かったです。ここが地味ーにキツかったです。30kmを超えてからの坂ってこうも感じ方が違うのだと、今後の教訓になりました。予定では34kmのところは、下りを利用して3'50"くらいまで上げたかったですが、「ボディブロー」が効いていて、脚がパンパンになっておりペースを上げることが難しかったです。

☆35kmから40km [21'51"]

f:id:Stinger:20211220223412p:plain

40km: 2°42'44" (4'20"-4'21"-4'25"-4'25"-4'15")

 36km手前のところで、ヤマザキデイリーストアを目印として急勾配の坂があります。攣ってから、攣りの恐怖と戦っていて、急勾配のこの箇所はここは一瞬でしたが、ビビってました。2時間50分を狙うランナーでも、歩いておられる方もおられました。ただ、私に関してはそこまでキツいとは感じませんでした。で、その急勾配の坂を越えたら楽かと言われれば、全くそんなことはなく、地味な坂が続くわけです。11月に試走で上ったときは、そんな上ってないでしょと思っていたのですが、試走の時に見えた景色と今回走った時に見えた景色は全く別物でした。地味なところにしんどいところがあるなぁと。ここで完全に心が折れてしまい、2時間50分切りは無理だと悟りました。

 あと、これは単なる反省なのですが、余裕がなさすぎて、ラストから2つ目の給水のところで塩熱サプリを5個ほど鷲掴みにして、こぼしてしまいました...ボランティアの方、すみませんでした...

 で、奈良教育大学を通ると、ようやく終わりが近いことを感じました。この時はなんとか粘っているところでしたが、心拍は180 bpmを超え、腕が振れず、脚の状況は好転せず、呼吸も上り苦しかったです。そんな状況で奈良公園に向かうと、上りのきついところで、フォロワーさんがおられました。めちゃくちゃしんどかったので、元気出ました。ナ ツ ミさん(@snktmtmmtrn)、エールありがとうございました!

 上りを終えて、また下り。いやほんとしつこい(笑)

と、下っていくところで、見覚えのある方が、目の前に現れました。

誰かと言うと、

私がチャンネル登録をしているチャランニングチャンネルのチャランナーさんでした。

チャランナーさんのチャンネル:

https://www.youtube.com/channel/UCzy4zVFMTQ04oa0PihMXLWA

おっ、知ってる人だ!と思い、よし、ラスト切り替えて頑張ろうと思い、「チャランナー、ファイト!」と声かけをしたところ、

その様子がYouTubeに公開されていました。

youtu.be

 このサムネイルの白いキャップの人が私です。チャランナーさん、見た目と名前はチャラいですが、ゴール後、少しお話したら大変常識的な人で安心しました(笑)レース動画だけでなく、練習動画も参考になりますので、みなさんもチャンネル登録お願いします!

 閑話休題。なんとかペースを下り坂を使って上げていこうと思い、チャランナーさんのお陰で、サブ3ペースまでは戻すことができていたようです。ただ、この40kmの通過時点で2時間42分。私の走力では2時間50分切りはやはり絶望的でしたので、現状で諦めずにできるだけ、2時間50分に近いところでなんとか粘り切ること。そう目標を切り替えてゴールを目指しました。

☆40kmからゴール [10'05"]

f:id:Stinger:20211220231037p:plain

ゴール: 2°52'40" (4'20"-4'44") *全体的には42.4kmほどの距離計測

 最後の最後で、競技場に向かう上り坂があるとはわかっていましたが、やはりハードでした。脚が上がらず、脚の攣りが再度襲ってきそうな感じがしましたので、最後はギリギリを狙いつつ、ペースを落としました。そして、ようやく42kmをすぎ、ラストのトラックへ。ラストはとにかく笑顔でと思い走っていました。オールスポーツさんの写真を見ると、(私には珍しく)めちゃくちゃ良い表情で写っていました。

 なんとか出し切ったー!といった感じです。いや、お疲れさまでした。

 で、ゴールでは先にゴールされていた、ミクロマンさん(@pdP2katIfRDTzTC)にご挨拶。またTDKさんが待ってくださっていて、お互いの戦いを労い、私の奈良マラソン 2021は終わりました。

結果

f:id:Stinger:20211220232340j:plain

ネットタイムは2°52'30"でした

 初めての陸連登録でのフルマラソンですが、この記録は一生忘れないと思います。2時間50分切りの達成はなりませんでしたが、従来のタイム2°56'34"('20 赤穂義士ラソン)を3分以上更新することができました!あと別府大分毎日マラソンのカテゴリー2(2時間55分以内)も獲得ですね。

f:id:Stinger:20211220235715j:plain

Stravaのデータ

 TDKさんは2時間48分台、さすがでした。ありがとうございました!

全体の内省

  • 悔しさはあるものの、プロセスの中、レースの中でやり切った気持ちはある
  • 前半のペース配分はほぼ計画通り。練習は積めていたが30kmの壁が厚かった
  • 脚攣りについては、工夫の余地あり
  • 次回必ず2時間50分切りを達成する

 前回、前日までの練習記録などのプロセスをお示しした上で、今回のレース記録をお示ししました。練習の流れを線で考え、狙った練習を概ねこなすことができていたと思います。あとは、その精度をあげること、余裕度を上げることだと思います。例えば30kmの距離走は疲労を加味すると毎週やれば良いものでもないとは思いますが、頻度をなんとかして上げ、確実にこなせるようにしていきたいです(4'15"くらいのペースで良いので)。30kmでバテてしまうのはやはり頻度の問題だと感じました。

 脚攣りについては、脹脛に装着するものを変えることが一つアプローチとしてあるかなと思います。ウォーターローディングについてはよくわかりません。今回、アップダウンが多いコースだったからなのか、単純に効果がなかったからなのか、うーんどうなのでしょう。いろんなパターンを場数を踏みながら試してみます。ただ根本の走りに問題があってトラブルが起こるというのもあるので、走り方から見直す時期に来ているのかもしれません。

 そして、今回は、2時間50分切りを残念ながら達成することはできませんでしたが、2022年2月に姫路城マラソンがあります。そこに向けて、もう一度身体を作り直して、次回は必ず達成します。今度こそ。

 最後に、大会を開催してくださった、関係のみなさま、運営のボランティアの皆様には本当に感謝しております。都市型マラソン、やっぱり応援があって、公道を走るマラソンはとても楽しかったです!忘れられない1日となりました。

 というわけで奈良マラソン 2021の記録はここまでです。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!

*1:正確にはわかりませんが、複数の方のGarminデータを参照しました

*2:約1名、遅刻の方がおられましたが...笑

*3:あと、ゲストハウスで知り合った方や、友人からのエールもいただきました!

*4:ランニングデートとも言う

*5:つまりフラれました